はじめに
健康管理やダイエットのため。周りの影響でマラソン大会に出場してみたくなったから。・・・ランニングをしている方には様々いますが、その中で呼吸法に気を使っている方はどのくらいいるでしょうか?
有酸素運動の代表格と言われるスポーツの一つなので、酸素を上手に取り込める呼吸法を習得しておきましょう。
最適なフォームが人によって異なるように、一流の選手は呼吸法も独自の方法を取り入れていることがあります。
今回は、ランニングを始めたばかりの方、継続して走っているが息がすぐ切れてしまう・・・という方へ
基本的な呼吸方法と、走っていると体がつらくなる理由をカラダのメカニズムも踏まえご紹介していきます。
走るのが楽になる?ランニングに適した呼吸法とは?
マラソンを始めとした長距離走のランナーは、呼吸法にも気を使います。
もちろん普通に呼吸している方もいますが、「長距離走に適した呼吸法」を使っている方も多いのです。通常の呼吸よりも、多くの酸素を取り入れることを目的としています。
初心者ランナーは、普段のランニングの中でも呼吸のペースが乱れ、上手く酸素を取り入れられなくなることがあります。せっかく体力が残っていても、酸欠状態になってしまえば、それ以上走ることができなくなってしまうでしょう。そうした事態を避けるために役立つのが呼吸法の改善なのです。
呼吸法を変えることで、自身の体内への酸素の取り込み量を大きく変えることができます。
「走ることだけでツラいのに呼吸法まで気が回らない!」という方もいるかもしれません。呼吸法をマスターすれば今までより遥かに楽に走れるようになります。
おすすめの呼吸法を4つに分けてご紹介します!
◆呼吸法①「2回吸って2回吐く」
最も有名なのが「呼吸を2回に分ける」という方法です。
普通の呼吸は「スッ、ハッ」と1回づつ行いますが、この呼吸法は「スッスッ、ハッハッ」というリズムで行います。
2回連続で息を吸うということに、最初は違和感を覚えるかもしれませんが、慣れるとかなり呼吸しやすくなってきます。
マラソン中は普通のペースで呼吸すると、体内の酸素量が足りなくなってしまいます。しかし、この呼吸法を使えば2倍のペースで酸素を確保することができます。
2回吸うから2倍…というのはあくまでイメージの問題なので、実際の酸素量がちょうど2倍になるわけではありませんが、それに近い効果は得られるはずです。
この呼吸法は、実際に多くのマラソンランナーに使われているので信頼できる方法とも言えるでしょう。
◆呼吸法2「深く吸って深く吐く」
2回連続で吸うのが難しいという方は、「深く吸って深く吐く」という方法を試してみてください。単純に思えるかもしれませんが、この呼吸法で走っているランナーも少なくありません。「スッ、ハッ」と早いリズムで呼吸するのではなく、「スーッ、ハーッ」とゆっくり呼吸するのがポイントです。
吸い過ぎると逆に苦しくなるので、長く吸った分ちゃんと長く吐くように心掛けましょう。
上でご紹介した「2回吸って2回吐く」という方法と、効果そのものに大差はありません。
両方とも試してみて、自分に合っていると感じた方を練習していくとよいでしょう。
◆呼吸法3「6拍子呼吸法」
「2回吸って2回吐く」という方法を少し変化させたのが「6拍子呼吸法」という方法です。
違いは極めてシンプルで、「呼吸を2回に分ける」という従来の方法に対し、「呼吸を3回に分ける」というのが6拍子呼吸法のポイントです。簡単に言うと「スースースー、ハーハーハー」というリズムで呼吸を行うわけですね。
また、この方法は呼吸を2回に分ける方法に比べて、呼吸の深さが違います。
「スッスッ、ハッハッ」と刻むように呼吸するのではなく、深く呼吸するように意識しましょう。浅く呼吸してしまうと、敢えて3回に分けた意味が無くなってしまいます。深くなめらかに呼吸を行えるように練習しましょう。
・・・・・・この呼吸法は、少し肺活量が必要になってくる方法なので中級者向けの呼吸法かもしれません。
◆呼吸法4「苦しいときに吐く」
どの呼吸法にも応用できる方法なのですが、「苦しいときに息を吐く」というのも一種の呼吸法です。
特に初心者の方は、苦しくなると息を吸おうとしてしまうものですが、限界まで苦しくなった場合は落ちついて呼吸を深く吐くほうが大切です。
苦しいと感じていても、肺の中には必ず空気が残っています。空気が残った状態で息を吸おうとしても、吸い込める容量は少なく、ほとんど酸素を取り込めません。一度息を吐き切り肺をカラッポにしてしまわなければ、苦しさを解消する酸素量を取り込めません。
肺に空気を残したまま、新しい空気を吸おうと必死になっても、最悪の場合「過呼吸」という状態になってしまいます。苦しいと感じたらまずは息を吐き「呼吸を整える」ことを意識しましょう。
走り始めてすぐ辛くなってしまう原因は?
主に以下の2つがランニング初心者の方に多く見受けられます。
一つ目は、走ってるうちに体の節々が痛くなってしまうタイプ。
これは運動に対して筋肉量が追いついてないために、筋肉が悲鳴をあげてしまっています。筋肉トレーニングを行って筋力を高める必要があります。
二つ目は、心肺機能がまだ鍛えられていないタイプです。
走っている最中に「ゼーゼー、ハーハー」と息が上がってくる方は、心肺機能の準備が不十分である可能性があります。
また、筋肉量と心肺機能を高めるためにランニングを重ねても、初めの5分の辛さがどうしても解消されない。考えられる原因として、走るスピードが速すぎるのかもしれません。
ウォーキングから始めていれば、いきなりオーバーペースで走ってしまうことはないでしょう・・・何も準備をせずに急に走りだす方に多く見られます。
マラソン初心者が陥りやすい挫折ポイントとは?走る時間を決めよう!!
すぐに息が切れてしまうオーバーペースな傾向にある方は、まずはとにかくゆっくり走ることから始めてみましょう。
目安として、呼吸が乱れない、一緒に走っている人がいればその人たちと会話して苦しくない程度の速さがベストだといえるでしょう。
速さにこだわって目標の距離を走ろうと決めてしまうと、継続してランニングをすることが難しくなって辛くなってしまいます。
走る「距離」よりも「時間」を決めて走るようにしましょう。
実は走り始めの5分はみんな辛い!!
ランニングに慣れてくると、はじめから終わりまで楽に走ることが出来る様になると思っていませんか?
実は、どんなランナーも走り始めは体が思うように動かず辛いものです。
また、走り始めからペースを飛ばすと体の疲労物質である乳酸値が高くなってしまいます。
話しながら走ることが出来るくらいの速さだと疲れがたまりにくく、脂肪の燃焼がしやすくなり、さらに走りやすい体になっていきます。
また、最初の頃は運動量に対して酸素量が不足していて体が苦しく感じます。だんだん体が慣れて乳酸が出てくるようになります。運動を始めて、体が慣れてくるのが5分後くらいからということなのです。
乳酸は筋肉のグリコーゲンを運動エネルギーに分解するときに発生する物質です。
激しい運動後に乳酸が発生するのは確かなので、乳酸はグリコーゲンの消耗を示す指標である事には間違いありません。
しかし、乳酸は肝臓まで血流に乗って運ばれるとまたブドウ糖になりエネルギーになります。乳酸をうまくエネルギー源に代えるためにも、血流を良くすることが大切になります。
走り始めて辛いからと、急にランニングを辞めてしまう方が疲れを倍増させてしまうことにもなりかねません。ランニング初心者の皆さん!まずは走り始めの5分、我慢するようにしてみましょう。5分後には酸素不足は解消されます。
まとめ
今回は正しい呼吸法、ランニングをしているとつらくなっていくカラダのメカニズムを少しご紹介しました。
ランニングを始めて間もない方には、すぐに息が切れてきてしまったり体のどこかが痛くなったりする方も多いのではないでしょうか。正しい呼吸法をマスターする事で改善に向かうことが出来るかもしれません。自分の体の事を理解することも大切です。
まずは、呼吸法を意識してランニングに励んでみてはいかがでしょうか?マスターすれば、日に日に長い距離を無理なく走る事が可能になってくるでしょう。